天空

 

「おまえはまるで空のようだな」
と。
あまりに意外なことを言われ、理解するのにいつもの数倍の時間を要した。
「得物の名のとおりだ」
そう続けられても未だ腑に落ちない。

それは、空に似ているのは、この人の方ではないか。

 

                           

「安らぎを与えてくれる宵闇のような漆黒の眼も」

                    

涼やかに冴え渡る蒼天のような碧い瞳も

                             

「暁光のようにすべてを斬り裂く強いまなざしも」

                       

夕焼けのように暖かにきらめく緋い髪も

 

                 

―『そして…とても大きい』―

 

                            

「光と闇と、相反するものを兼ね備えて」

赤と青と、相反するいろを併せ持って
 

                            

「おまえといると夜半の空に包まれているような気持ちがするんだ。」
 

あなたを見ていると真昼の空を見上げているように感じるのです。

 

 

 

この、そらのようなひと

 

 

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