ぐるぐると取り留めないことを思っているうちに、整わぬ息が、それでも少しずつ落ち着いてくる。それとともに、久しぶりの射精、それも後孔への刺激が合わさっての初めてのものに、孫権の全身はぐったりと脱力感に襲われた。
 しかし、いまだ周泰が去る様子はない。
 振り向けば獣のような視線に出会って、先ほどの吐精が解放を意味するものではなかったことを思い知らされた。

「…毎日…何人もの男を咥えこんで…この程度では、満足できないでしょう…?」

 薄く口元だけを笑いの形にしながら、周泰の目は昏くぎらついて少しも笑っていなかった。
「なッ!?」
 ぐぐっ、と孫権の背に沿うように周泰の上半身が倒され、耳をきゅ、と噛まれた。同時に、両方の乳首を捻りつぶされ、痛みと官能に声なき悲鳴があがる。

「今日はあと何人受け入れるところだったのですか…?4人?5人?もっとですか…?
 ……俺が…同じだけ、して差し上げましょう…………!」

 孫権の耳元に、熱い吐息とともにぞっとするような言葉が注ぎ込まれる。
 入れ替わりにぬるりと濡れた舌が耳に入ってきてその感触の生々しさに気を取られているうちに、腰を捉えられ、がくりと上半身が牀台に沈んだ。
 それを合図に、周泰が再び動き出した。
 猛々しい熱が、ずっ、ずっ、と孫権の中を焼き焦がす。
 繰り返される摩擦に、疼きを遥かに通り越した明らかな快感が、激流のように生まれては体中を駆け巡る。
 耐え切れず、孫権は二度目の精を吐き出していた。
 ぎゅうぎゅうと何度も締め付けたろうに、それでも中のものは依然、力を失わない。
 弛緩しはじめた内壁を、ならばとさらに奥に進むように抉ってくる。
「あっ、ぅあっ、周泰…!…嘘…だ…こんな、こんなの…っあぁっ!!」
 硬く張り詰めた砲身の、鋭い先端が奥の奥を小突いて、目の奥に閃光が走る。
 ちかちかと星のようなそれは、やがて視界を白く埋め尽くした。
 それでも、まだ終わりは遠い。
「いつもと同じだけ」、と言った言葉通り、四度も五度も果てさせるつもりなのだろう。先ほど一度中に放ったはずなのにさらに硬度を増したようにすら感じられる周泰の得物は、それが可能であることを知らしめる。


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